(一社)全日本司厨士協会小樽支部 編集部長 大谷 英行
『第27回後志フードフェスティバル』令和5年11月5日(日曜日)午後6時よりホテルノルド小樽にて開催されました。
テーマは『地域・人・伝統』未来への饗宴(みらいへのたすき)
参加店舗の料理人は、小樽は勿論のこと、ニセコ、ルスツ、黒松内で活躍する敏腕chefが一同に揃いました。
日頃、会員のホテルやレストランをご利用頂いている美食に興味ある方々、普段ご贔屓にされている賛助会員の皆様そして行政、食関連団体様と我々を応援してくださる大切なお客様が勢揃いです。
今回のメニューは数か月前から役員会で検討し、その後はそれぞれの担当料理のイメージや当日までの準備集客状況についてを当日を迎えるまでグループのLINEには毎日通知の嵐(笑)。
一皿一皿の提案と試作や意見を出し合いながら当日に向けて取り組んで来ました。
11月5日。僕の住む黒松内町の早朝。風の無いどんよりした空。地面は真っ白な景色。
『初霜?まさか?!』キーンとした冷気の外。恐る恐る愛車に向かい、昨日、摘んだクレソンの入ったバットを確認すると目の前には、なんと!鮮やかな緑では無く燻んだ濃い緑の葉。周りには薄い氷が光り『凍れたクレソン?』になってしまいました。
しかし、この時期のクレソンは雪の下になっても弱くならず尚、逞しく更に辛味を増すスーパー植物&ワイルド野菜です。
豪華で繊細な一皿入魂の料理にひっそり添えてもらいたい。お客様の味覚に刺激を与える、シャキ!とした『クレソンを!』と思いながら前日冷たい森の沢水に手をやり一房一房を摘み採りました。
黒松内町、朱太川水系の歌才森林公園ブナの森の沢に育つクレソン。実はこのクレソン、僕が黒松内町で料理人として働き始めた頃に『歌才森林公園の綺麗な沢水があるのなら?』と思い八百屋で仕入れたクレソンの根っこを沢淵に移植し長い年月をかけて増殖した食材なんです。
小樽まではマイカーで2時間、久々に一緒に仕事をするchef達に逢えるのを楽しみに向かいました。
ノルド小樽の控室には僕よりもワクワクして早く集まっていた豪華な仲良しメンバーchef達。久々の再会なのに、なぜか、落ち着く〜。みんな、笑顔で待ち構えていました。
早々に打ち合わせは始まり、これからのイベントの流れと本日のスケジュール確認を済ませ、会場ノルド小樽shizzleのホールに集まり着々とテーブルのセッティングと最終ミーティング。
厨房での仕込みに入り緊張感と信頼関係相性抜群の安心感を忍ばせながら心躍る宴。
バックヤードには、ぎっしり寄集まる白衣の戦士!ニセコ後志の司厨士!
大集結からの調理開始です。
18時!宴の乾杯は北海道ワインで始まり、お客様の嬉しい美味しいを待ち構える笑顔。
抜群のタイミングでスタッフからの配膳でアミューズ、オードブル、スープ、魚料理、メイン肉料理(黒松内クレソン添え)デザート、パン、幸せのコーヒー!※(詳しいメニューは写真で)
緊迫した静かな厨房からは、終始、無言に近いアイコンタクト。次々と段取りと手際良く、料理盛り付けを見事なコンビネーションで作り出し、一品ごとに料理を担当したシェフがマイクを持ち説明。そしてお客様にはスムーズに着々と提供して行きます。時の経つのを忘れるほど、居心地の良い空間での作業。デザートまでの料理を全て出し切った頃にはお楽しみ抽選会!
各参加点から提供された、お食事券や宿泊券、施設利用チケット、ご当地詰め合わせセット等。
更に豪華な景品を獲得された幸せな笑顔。
ホテルノルド小樽、総料理長佐久間chefと共に参加chef達はステージに勢揃いし、お客様と開催に関わった全ての関係者に、心を込めて感謝のご挨拶。
あっという間の2時間は終宴を迎えました。
『地域・人・伝統』今回参加出来なかった、メンバーchefも先輩chefも、きっと楽しい時間を想像していたはずです。
開催27回に至るまでの歴史は簡単に繋げて来たわけでは無いと想像します。
しかし、chef仲間達なら30回を目指して更なる工夫と香り高い料理の逸品を作り上げ、お客様の笑顔に出会うイベントになっていく事でしょう!
なんてったって!自称『業界1位のチームワーク』ですから…
これからの若いchef達にも、この達成感を沢山味わって欲しいな〜
その時も、脇役の『黒松内クレソン』使ってもらえるように僕も元気に働こう!
二次会の様子は、いつも通りの大盛況ですので妄想してくださいね!
おしまい