“後志の漁業を知ろうツアー”に参加して

小樽支部 YaDo 0taru 石井里沙

2020年10月22日に開催されました後志総合振興局水産課主催の“後志の漁業を知ろうツアー”第2回目に参加させていただきました。

秋も深まり今年は雨の天気が多い中、朝から晴天で第1回目に比べると気温も高く早朝でも過ごしやすい天候に恵まれました。
当日は兼崎小樽支部長と待ち合わせて余市の集合場所まで向かい、朝6時15分出発・倶知安からの大型バスに乗り合わせてツアーがスタートしました。

後志総合振興局の皆様よりご挨拶と説明を伺いながら、いざ古平漁港へ!!
到着後、まずは本日のメイン鰤漁船の水揚げ見学!・・・の前に漁港を散策することに。昔の古平漁港を知っている参加者の方からずいぶん綺麗になったという想い出話を聞きながら、季節と共に獲物も変わるので道具の入替えをしている漁船を見学。そして7時25分、ついに鰤漁船が入港。

勇ましい漁師さんたちの掛け声が飛び交いクレーンやベルトコンベアーを使って漁港岸で素早く選別!その中でも特に大型のものは船の上で瞬時に仮死状態にしたのち特別な水槽に入れます。
それは一番に市場へと運びこまれさらに脂肪分を計測する機械で素早くチェック!!一定の基準値(重さ7kg以上、 脂肪率15%以上)をクリアしたものに付けられる積丹ブランド“鰤宝(しほう)”の誕生です。10月はまだまだ水揚げも少ない中、2本の“鰤宝”に出会うことができました。“鰤宝”はより丁寧なエラの洗浄と氷冷却のもと大切に運ばれて行きます。

次に市場の競り見学へ移動。鰤より早い時間に上がっていた鮮魚たちが次々競り落とされて行きます。近海で捕れる魚たちを間近で見ることができました。そして隣接する直営工場では新鮮なそれらの食材を使った加工商品を作っています。
衛生管理の説明や高度な窒素加工技術・生状態で開いたホッケの加工品など、多くのこだわりを知ることができました。見学の後は、直売所にてしばしお買い物タイムを楽しみました。

次に後志漁業全体の勉強会へ。同じ日本海のようで近海では港ごとに全く違う魚種が獲られている話などを聞き実に勉強になりました。
そしてお待ちかねの試食タイム!会場は“味処 新家寿司”へ。
今回は試食というよりも、食べ比べのフルコースと言える内容でした!鰤刺身は「野〆鰤・今年の鰤宝・昨年の20%脂肪の鰤宝」を各カマ・腹身・背身にて、甘エビは「沖漬け・熟成・活甘エビ」さらに特大活ボタンエビまでもが提供されました。立続けに土瓶蒸し・鰤焼きは「イナダ麹漬け・鰤宝は素焼き」にて頂きました。
鰤宝は圧倒的な脂のノリで野〆のものとは大違い。活甘エビは甘味が薄く食感を楽しむなど様々な食べ比べにて素材の違いを勉強(堪能)させていただきました。

今回のツアーテーマは後志管内における魚介類がいかにして流通し、どのような加工・提供をされているかを見て・食べて・学んでという内容となり、一般の方や飲食店関係者の方々など知識の違う参加者が集まっておりました。
ツアーの最後には同じ体験を通した内容でそれぞれが何を感じたのかを全体でディスカッション。私の感じたことは、足を運び体験した内容は料理を提供する際お客様に説明することで安心や付加価値をつけること、食事の中にエンターテインメントを含むことができる事を痛感いたしました。

今回参加させていただく事で、後志漁業の幅広さや未知の部分・港の風景や漁業組合の皆様の努力や知識を沢山知ることができました。
このような貴重な機会を作ってくださった後志総合振興局水産課の皆様・東しゃこたん漁業協同組合の皆様・味処 新家寿司様 ほか関係者皆様へ感謝申し上げます。
是非、皆様におかれましてもコロナ禍ではありますが食の見聞を深める時期と考え、漁業の現場に足を運んでみてください。