社会福祉法人 聖母会 天使の園訪問記

6月の札幌支部役員会の議題で、例年クリスマス前におこなっていた「エンジェルとシェフのふれあいパーティ」を、繁忙期にかかるため他の日程&別企画で行なえるかを検討することとなった。

その結果「ハロウィンにクッキーを届けると子供たちも喜んでくれるのではないか」という事になり「製菓調理専門学校の学生さんに製作してもらえたら、売られているクッキーを届けるよりも気持ちが伝わる」との結論が出た。

そこで、支部の役員である札幌ベルエポック製菓調理専門学校の澁谷亜寿美先生に相談をしたところ、学内で話し合ってくださることとなった。学校の授業は年間スケジュールが年度初めには決まっているので、それ以外に更に時間を確保、調整することは難しいと聞いたことがあった。もし依頼した場合、クッキーのデザインや材料、製作そしてラッピングの時間が更に加わることになる。しかし急な依頼にも関わらず、程なく「お受けいたします。学校として社会貢献いたします」との返答が届いた。役員一同笑顔になり、どのようなクッキーになるのだろうと当日を楽しみにしていた。

いよいよ当日(ハロウィンの前日)、役員と学生含め計8名で小雨の降る中、天使の園を訪問した。駐車場では雨に濡れた落ち葉が冷たい風に吹かれていたが、子供たちの元気いっぱいの笑顔と挨拶のお出迎えを受け、そこだけあたたかな風が吹いたようだった。

応接室へ通され、園の責任者が見守る中、学生が代表者の園児にハロウィン模様の箱に入ったクッキーを手渡すと、満面の笑顔で「ありがとう」と答えて、早く中を見たそうにしていた。早速開けると、中からお化けたちが飛び出てきた。廊下からは「トリックオアトリート!」の子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきた。

贈呈式終了後、学生も笑顔で視線を子供と同じ高さにして、ジャックオランタンやゴーストなどのクッキーを見ながらお話をしていた。そして次々と子供たちがクッキーを受け取りにやってきた。
やがてお別れの時間となり、私たちはこのあたたかな余韻を胸に帰路についた。

今回、クッキー製作に携わった学生たちにとって、このような社会貢献はプロとしての意識を高く持つきっかけのひとつとなったのではないだろうか。
最後にご協力いただいた札幌ベルエポック製菓調理専門学校の職員の皆様、学生の皆さまに感謝の意を表します。