女性部勉強会に初めて参加して

司厨士協会札幌支部女性部
川合 希

今年の札幌の夏は記録的な暑さが続きました。8月28日に札幌グランドホテルに於いて、今年度第1回・司厨士協会札幌支部女性部の勉強会が26名の参加で開催されました。
札幌グランドホテルの水崎彩夏シェフによる「道産食材に愛を込めて」をテーマとしたフレンチの勉強会です。
私は勉強会に参加するのは初めてでしたのでとても楽しみにしていました。コロナ禍を経て久しぶりのホテルでの料理講習と試食会は、すぐに募集人数を上回る参加希望があり、人数枠を増やしたそうです。

札幌グランドホテルでの女性シェフによる料理講習会は初めてとのことでした。若き女性シェフの優しい語り口とあざやかな手捌きで調理実演が行われ、みるみるうちに料理が出来上がっていきました。レシピもわかりやすく大変参考になりました。説明も丁寧でお鍋の中がよく見えるように会場を回って下さり、家庭でも役立つヒントがいくつもありました。
1時間ぴったりで実演が終わり、次は試食会のはじまりです。

最初の1皿目は「北海道産野菜と生ハムのガルグイユ オレンジのヴィネグレットソース」エディブルフラワーが飾られ見た目にも美しく、食材の新鮮さが感じられました。
オレンジの爽やかな風味と絶妙な組み合わせは素晴らしかったです。添えられた黄人参が甘くしっとりと美味しく、感想をシェフに伝えると、前日からローストして準備していたと説明を伺いました。やはり昨今の時短料理では出せない味と感心しました。

2皿目は「北海道産とうもろこしの冷製スープ」夏にぴったりの軽やかさで暑い日に最適なスープでした。
特に北海道のとうもろこしは甘さが際立ち、これぞ北海道の美味しさと感じました。器の下にはとうもろこしの葉とひげがコースターのように敷いてあり、とてもおしゃれでした。

3皿目は「仔羊の香草ロースト 北海道産野菜の彩り ソーストマト」絶妙な焼き加減で肉が柔らかく、羊の臭みもなく、水崎シェフの素材選びと技術に感激しました。
付け合わせの百合根のドフィノワーズもとても美味しかったです。百合根は茶碗蒸しや天ぷらでいただくことが多いのですが、洋食にも合うことがよくわかりました。
もう一つの付け合わせの椎茸は、軸の切り口に包丁で格子状に切れ目を入れて食感を和らげることを教えていただき、家庭でもすぐに役立てることができそうです。椎茸に添えたソースラビゴットは爽やかな酸味と奥深い風味をもたらしており、この料理を一層引き立てていました。ラビゴットは体を回復させる、元気を取り戻すという意味と説明があり、猛暑で疲れた夏の体調にぴったりでした。

デザートは「桃のコンポート 町村牛乳のアイスクリームのせ」季節感を感じさせるホテル特製の桃のコンポートとミルクのアイスクリームと木苺のソースが組み合わさり、まさに口の中で至福の味わいでした。
コーヒーをいただく頃にはちょうど終わりの時間に差し掛かり、大満足の勉強会体験となりました。

北海道の豊かな食材を活かし、独自のアプローチでお料理を提供してくれた若き女性シェフの才能と情熱に感銘を受けました。
次回の勉強会にも是非参加したいと心から思います。最後に、今回の企画・準備をしていただいた司厨士協会札幌支部女性部と札幌グランドホテルの皆様、本当にありがとうございました。