第60回調理技能コンクール

令和7年10月19日に、一般社団法人北海道全調理師会主催による「第60回調理技能コンクール」が札幌ベルエポック製菓調理専門学校にて行われました。
例年、体調不良等で欠場者がいたこともありましたが、11名の出場選手皆が参加し無事に終えることができました。

調理技能コンクールの内容と致しましては「道産食材を使用したクリエイティブな西洋料理」を課題とし、指定食材の秋鮭、ホタテ貝、エシャロット、舞茸、ニンニクを使用し下処理や機材類の清掃と整理を含め60分の制限時間のもと日常の業務に利用できる作品の調理。
また、日常の業務を通じ習得した知識と技術の成果を発表する場とし、調理師の資質の向上に役立てるとともに道民の食生活向上に寄与するためとあり、若手料理人にとって、この調理技能コンクールはコンクールの登竜門のひとつではないかと思います。

審査基準は包丁類の手入れ状況・調理材料の衛生的取り扱い。調理技能、味覚をそそる色、艶。与えられた材料を充分に活かしているか。盛り付け・形などが実用的か。一番重要な味覚審査もあります。

競技スタート前は穏やかな空気でしたがスタート時間が徐々に迫ってくると選手達の顔も引き締まり、程よい緊張感の中スタートしました。
最初の方は緊張し手が震える選手もいましたが時間の経過とともにしっかりと集中し、自身にとって最高の一皿にしようとする気持ちがこちらまで伝わってきました。
普段と違う調理場でいつもと勝手が違う機材に予定より作業時間がかかりタイムオーバーしてしまう選手もいて普段の仕事では気が付けなかった部分、自分の足りないところを見つけられた選手もいたのではないかと思います。また、練習時同様にでき、それが結果につながり自信になった選手もいると思います。

今回のコンクールの出場にあたり、日々追われる中で業務を精一杯勤め、少ない空き時間の中でたくさんの努力されてきたのではないでしょうか。
その中で何度も失敗し試行錯誤を重ね自身のその中で得た知識や技術は間違いなく自身の力になるはずです。
コンクールの結果だけでなくコンクール出場に向けてやってきたことは素晴らしい経験のひとつかと思います。この経験を大切に今後の糧にしていってください。

私もコンクールの補助ということで参加させていただき大変勉強させていただきました。
若手シェフ達は総料理長や料理長のメニューを元に日々、知識、技術を研鑽し、料理に対する気持ちや大切にしなくてはいけないこと等の様々な教えや各ホテルの特色が乗っている一皿が出来上がっている事に対して大変、感銘を受けました。
今は色々な料理本や動画があり知識においては色々と吸収しやすくなっておりますが、若手シェフ達の基本をつくるのは各ホテルの総料理長や料理長が考案している料理なんだと改めて実感いたしました。またコンクールを通じて若き力を感じ私自身も一層邁進してまいります。

選手の皆様、コンクール出場本当にお疲れ様でした。
入賞された3名の選手、心よりおめでとうございます。

札幌支部幹事(研究部担当) 中山 雄太

第60回調理技能コンクール受賞者

金賞

斎藤 宙輝 さん
(札幌ホテルbyグランベル)

「秋鮭と帆立のパイ包み焼き」

昨年に引き続き、調理技能コンクールに出場させていただき、昨年入賞できなかったという悔しさをバネに何度も練習に打ち込むことができました。

片付け込みで60分という短い時間制限ですが、昨年の反省点を踏まえ、間に合わないかもしれないから少し手間を省くという考えは捨て、手を掛けてでも間に合わせる。 という気持ちを持ってメニューを考え、何度も練習を重ねました。

本コンクールで金賞を取ることができたのは自分の実力だけではなく、アドバイスをくれた料理長、上司、何度練習しても文句を言わずに応援してくれたスタッフの方々のお陰だと思っています。
今回の結果に慢心することなく、実力を伸ばしていけるよう、勉強していきたいと思います。

銀賞

大串 奏貴 さん
(森のスパリゾート 北海道ホテル)

「秋を感じる一皿~実り~」

10月19日に札幌ベルエポック製菓調理師専門学校にて行われた「第60回調理技能コンクール」に出場させていただきました。

今年はじめてこのコンクールに参加し、メニュー作成から本番までたくさんの事を苦戦しました。
今回の課題食材が秋鮭と帆立という事でいかに単純な料理にするのではなく、ひと手間ふた手間、手を加えた料理にするかここにものすごく重点を置きました。

メニュー作成に至っては、北海道ホテルの上司を中心に様々なサポートも有り納得のいくメニューに仕上がり、本番でも練習含め、1番綺麗に仕上がった手応えもあり、最初から最後までとても充実した経験を得たと感じています。

その中で銀賞というとても名誉な賞でもありながらも個人的には金賞しか狙ってなかったのでとても悔しい結果でした。
この悔しい気持ちを絶やす事無く、今回得たものを日々の仕事にも活かしていきたいと思います。

最後になりますが、お忙しい中このようなコンクールを開催していただいた北海道全調理師会の皆様そして、出場に当たって様々な面でサポートしていただいた方々、練習の場としてお借りしました帯広調理師専門学校の方々、ご協力していただき本当にありがとうございました。

銅賞

坪井 孝悟 さん
(札幌ガーデンパレス)

「秋鮭とホタテのパイ包み焼き 秋の実を添えて」

この度、第60回調理技能コンクールにおいて、銅賞という栄誉ある賞を受賞させていただき大変嬉しく思います。

コンクール当日は、緊張や不安と期待が織り混ざる気持ちで挑みました。調理環境が変わると日々どれだけ考えて行動しているか発揮される場所だと痛感しました。
また、社外の方々の作品を見て創意工夫の面白みや考え方など、学ぶ事がたくさんあり、とても良い刺激を受けました。

このような賞を頂けたのは、日頃から調理技術だけでなく料理人としての心構えや知識を教えて下さる料理長や先輩など周りの方々のおかげです。
職場の方々に改めて感謝し、今回の経験で学んだ事を生かしながら日々努力していきます。

司厨士協会札幌支部、大会関係者、応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。

出場者


加藤 潤大 さん


佐藤 元哉 さん


石塚 空翔 さん


毛馬内 康晴 さん


高城 琉唯 さん


佐藤 零 さん


今野 僚太 さん


岡田 朋弥 さん