函館支部 勉強会を終えて

函館支部 総務会長 齊藤 大介

秋風が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今回の勉強会では、函館市の吉田食品の店舗兼工場の「和創菓ひとひら」さんと、森町にある「ジョウヤマイチ佐藤漁業部」を訪問しました。

ひとひらの工場では、菓子製造1級技能士であり他いくつもの資格を持つ吉田社長の案内で和菓子を製造している所を間近に見ることができました。
白あんやこしあん、粒あん等を全て素材から製造して商品化しています。
黒あんの原材料となる小豆も、白あんの原材料となる白手亡豆も北海道産で、豆を煮る際使用する水の硬度も調整して加工するこだわりぶりです。
製造過程も吉田食品さんの公式ホームページに記載されているのでぜひ見てみてください。
工場の片隅で一人黙々と作業する職人さんの丁寧な手仕事に感動しました。
見た目の美しさだけではなく、素材や味のこだわりも伝わってきました。

工場を後にし七飯町の道の駅に隣接しているレストラン「男爵ラウンジ」へ。
「ひこま豚ロースステーキ」をいただきました。
ひこま豚は森町で飼育されているSPF豚で臭みがなく脂身に甘みがあるのが特徴です。

午後からはジョウヤマイチ佐藤漁業部さんの現場を見学させていただきました。
一同持参した長靴を履き加工場へ案内されました。
ジョウヤマイチ佐藤さんは、噴火湾の根ボッケ漁礁干しや他ホッケの加工商品、珍味の製造、販売、未利用魚の有効活用に向けた商品開発もされています。
案内していただいた佐藤社長は話しやすくとても気さくな方でした。

市内のホテルやレストラン、お寿司屋では、天然で安いブリよりも、高い値段で養殖のブリが多く使われているのが現状。
天然ではその日その日で揚がるブリに個体差があり、消費者側には、味も脂乗りも安定した養殖のブリの方が好まれる事、低利用魚の認識の薄さにも困惑されていました。
消費者側の固定概念から、未利用魚、低利用魚の宣伝、販売等難しくまだまだ時間がかかるとの事でした。

社長はこう言った問題や我々調理人との情報共有をとても大事にしていて、今回の勉強会を楽しみにされていたそうです。
去年の「道南食と観光フェア」でジョウヤマイチ佐藤さんのカガミダイを使用したのがきっかけで、今回の勉強会でお話を伺いたく、仲川支部長から直々にお願いし実現しました。
これから先こういった繋がりが重要になり、函館近郊の生産者様との交流を深めていくことが私たち調理人の使命で、より新しくおいしい料理を提供していく未来へ向けて、この意志を繋げていきたいと思いました。

今回参加された支部会員の方々、お忙しい業務の中参加してくださってありがとうございました。